中出阪蔵のご子息、中出幸雄さんの製作したクラシックギターです。1980年製。
ここまでの妥協のないクオリティのギターを新作で作れば50万円はするのではないでしょうか。
中出阪蔵は世界的にも評価の高い製作家ですが、その息子たちのほうが優れたギターを製作していたことも多いです。
わたしは中出一族のギターはほとんど弾いてきました。阪蔵、六太郎、治、輝明、敏彦、そして幸雄です。
どのギターもそれぞれ良さがありますが、息子たちの世代は父親世代よりも音色が洗練され現代的になります。
なかでも幸雄さんは最も音色がクリアで軽やか、粒立ちが良い印象ですので、爽快感のある曲を多めに弾く方はひょっとしたら最高の一本になるかもしれません。透明感がありますが金属的ではなく、全体のバランスもまとまっています。
河野賢が1960年代にギター製作の国際的コンクールで優勝しましたが、その頃の河野ギターにかなり似た鳴り方で、木質的な軽やかさと艶があります。(幸雄ギターは河野より明るめの音色です)
参考音源のリンクを記載します。
https://youtu.be/eumS-_mSUCE?si=-9GIc9qiOYV0YqSN
サイドバックは柾目の黒々とした単板ローズウッドです。太い木の芯の部分から採られた厳選材と思われます。
表板はいわゆる霜降りの厳選クラスの単板スプルースです。
塗装はカシューか何か定かではありませんが、木目が浮き上がるほど薄く素晴らしい仕上がりです。
指板のエボニーも非常に上質です。
状態は年代にしてはとても良く、割れやはがれはありません。
ネックもかなりまっすぐです。
弦高は6弦4ミリ強、1弦3ミリ強です。
スケールは648mmほどでやや短めで日本人にとっては弾きやすいです。(標準は650mmと言われています)
ヘルマンハウザーのギターもこれくらいの弦長ですので、スケールが短すぎて鳴らないということはありません。
全体的に掃除をしましたので、気持ちよく弾いていただけるかと思います。
ハードケースに入れてプチプチ梱包して発送します。
評価の高い中出一族の中でも数が少なくて最も入手困難なのは幸雄ギターですので、中出ファンの方にとってはなかなか無い機会かと思います。
すぐご希望の方がおられないようでしたら、出品を予告なく取り消しますのでご了承ください。
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