70年代後半ベスタグラハムによる国産フルアコ
型番はおそらくvgf1800と思われます。
のちにESPを創業することになる椎野秀聡さんが設計、製造は現在は日本製グレッチの製造などで知られる寺田楽器が担っていた箱もの中心のブランドです。
ブランドは70年代中期から80年前半ごろまで続いていたようで、本器は指板エンドのシリアルから推察するに79年ごろに作られたものと思われます。
ボディ内部にラベルがないため断定はできませんが同時期に出ていたスモールボディのフルアコは定価18万円のVGF-1800というモデルしかありません。おそらく本器も型番としてはVGF-1800だと思われます。
ただ、下記にまとめましたが、カタログスペックとは違うところも多い一本です。
VGF-1800に関してはネット上の情報を見ると何本かオーダーで作られていたりプロトタイプも出回ったりしていたようで、本器もそういった一本と思われます。
・カタログスペックと異なる点
1カタログスペックでは2ハムとなっていますが本器は写真の通り、シングルコイルが搭載されています。
ボディにザグリなどはないことから、おそらく後付けではない、仮に後付けであったとしても、当初はフローティングタイプのピックアップが搭載されていたのではないかと考えられます。
2ほかにもウェブ上に残っているカタログなどを見るとVGF-1800には55本限定で、40年代から60年代初頭、ギブソンのアーチトップギターに搭載されていた「マッカーティ―ピックアップ」を使用したモデルが存在しているようです。
本器も酷似しているのですが、マッカーティーピックアップはピックガード上にボリューム、トーン、バランサー、ジャックがすべてついており、その点が本器とは大きく異なります。ただ、裏面のさび具合を見るに本器についているピックアップ自体は非常に古いもののようです。いずれにせよ、どういったピックアップなのかはわかっていません。
コンディション
電装系問題ありません。ただ、フロントに比べてリアの出力が結構低いようです。仕様だと思われます。
ネック
フラットワウンドを張って概ねまっすぐです。ロッドは固くなってはいますが、調整幅は残っています。
小傷はあります。また塗装面にひびが入っていますが、木部には到達していません。ハードケース附属
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