豊授ノ母像 ― 福脈抱胎ノ守 ―
(ほうじゅのぼぞう ― ふくみゃくほうたいのまもり ―)
素焼きの温もりを帯びた母子像。
母が抱く幼子は「まだ形にならぬ福を宿す御子」と伝えられ、
手にした者へ“形を持つ幸運”を次々と生み出すと言われております。
前の持ち主様はこの像を譲り受けた後、
生活が驚くほどに好転し始めたそうです。
最初は小さな懸賞で高級コーヒーメーカーを当て、
次に応募したキャンペーンでは高級車が当選。
さらに数ヶ月後、宝くじで1等前後賞を含む高額当選を果たしたとのこと。
その間、像を置いていた部屋では
ほんのりと温かい香土の匂いがしたり、
幼い笑い声のような響きが夜にふと聞こえたこともあったそうです。
「何かに見守られているようで怖さより安心を覚えた」との言葉も残されています。
――まるで母の腕の中で福を抱くように、
この像は、持つ者の人生に豊かさの息吹を吹き込む御宿物。
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恩恵:金運/幸運/繁栄招来/事業隆盛
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前の持ち主様は、灯にこの像を託す際、こう仰いました。
「もう充分すぎるほどに恵まれました。
次は、この子の“母性”を必要とする誰かのもとへ行ってほしいのです。
あの柔らかな気配に救われた夜を、どうか他の誰かにも。」
それは、まるでこの像自身が次なる持ち主を選び、
導こうとしているような静かな確信を帯びた声でした。
――もし今あなたが、「これからを変えたい」と願うなら。
この母子像は、その願いを抱きとめ、
見えぬ縁の糸をたぐり寄せてくれるでしょう。
手のひらに乗せた瞬間、温もりを感じたなら――
それは、この子が“あなた”を選んだ証です。
夜禍ノ店 - 祀神 灯 -