加納木魂さんのスプルース・ハカランダ(ブラジリアンローズウッド)のクラシックギター、2004年製のオール単板です。
調整、清掃済みです。
当時定価66万円ですが、今作れば88万以上になるのではと思います。
木魂さんの父である木鳴さんも製作家で、そのギターは美しさが評価されベルリンの博物館に所蔵されています。木魂さんのギターは村治佳織さんの師である福田進一さんも愛用しています。
木魂さんは長年の木工作業で肺を悪くし、今年1月に亡くなられたそうで、当ギターは文字通り命を削って造られた芸術作品です。
木魂さんは桜井河野のような弟子たちとの分業による量産はしておられないようですので、本数も少量しかありません。ただでさえ入手困難ですし、もう新しい木魂ギターが増えることもありません。今後ますます入手困難になり、その希少性から新品価格も高くなっていくかもしれません。
下記は工房へのテレビ取材の動画リンクです。
https://youtu.be/0l0clQXKQWM?si=FoWobPiQOjAG31Yx
当ギターは、ネックもまっすぐで状態も良く、非常に弾きやすいです。
表面レベルの小傷はありますが、一歩下がれば見えなくなるようなもので目立ちません。
表板のへこみに見えるのは(3〜4枚目写真)、傷ではなくベアクロー杢で、厳選された松の証拠です。さらに霜降りでキラキラしてます。
サイドバックのハカランダは水墨画のように美しいだけでなく、しばらく弾いていると甘い香りが漂ってきます。
弦高6弦3.9mm、1弦3mm、弦長スケール650mm、ナット幅52mmです。
ネックも薄めで、弦にかかるテンションも弱いので、ショートスケールでなくとも非常に弾きやすいです。(いまはダダリオのハードテンション弦を張っていますのでお好みで変更してください)
以下は参考音源のリンクです。
https://youtu.be/V-1Kd8O2BhY?si=Hxf4eNCl2GhOXstV
音のビビリは演奏ミスですので、ギター自体には問題ありません。
音色は優しさと渋さを兼ね備えているように感じます。
爆音が鳴るギターではありませんが、そのかわりバランスに関しては桜井河野や野辺よりも優れています。どのポジションでも音抜けがよく、サステインもあり、鳴り過ぎたりキンキンする音がありません。
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